女性も働く時代。妊娠出産をしても、普通に産休・育休を取り、職場復帰する・・・そんな時代になりました。
妊娠をしてから国の給付金や会社の制度などを調べた方は多いのではないでしょうか。
育児休業は最大2年まで認められますが、保育園等の子供の預け先が決まると職場復帰しなければなりません。
復帰をして最初の難関は、保育園への送迎と仕事の両立ですよね。
そこで必要になってくるのが、会社の時短勤務制度。
時短勤務ができないと、ただの「早退」「遅刻」になってしまいます。
堂々と時短が出来るのは、就業規則に時短勤務制度があるから。
では、この時短勤務。いつまで使えるのでしょうか?
法律では3歳まで
会社は、3歳未満の子供を育てる従業員が時短勤務を希望する場合に利用できる、短時間勤務制度を作らなければならないことになっています。
・・・つまり、3歳までは法律で時短勤務が認められている訳です。
✿契約社員の方も利用できます
(子供が1歳6ヶ月を経過する日までに労働契約期間が満了し更新されないことが明らかな場合は対象外になります。)
✿配偶者が専業主婦(夫)でも利用できます
✿元々1日の所定労働時間が6時間以下の場合は対象外になります。
✿勤続年数が1年未満の方などは対象外とされている可能性があります。
(会社によって異なりますので、確認が必要です。)
でも・・・、正直3歳までって微妙ですよね。。。
職場復帰のタイミングですが、経験からやはり子供が1歳になった時が一番多いのではないでしょうか。
そこから、慣らし保育が始まり、保育園の送迎がスタートします。
子供が3歳になったら、大丈夫!
・・・なんてことは無いですよね。。。
正直なところ、個人的には少なくとも小学校3年生までは時短が必要だと思っています。
小1の壁問題って?
我が子も学童に行かせていたのですが、小学校の低学年は大変です。
小学校が終わると子供は学童へ向かうのですが、帰宅方法は基本的には
✿学童から集団帰り
✿親のお迎え
のどちらかになります。
集団帰りは17時頃になると同じルートの子供達で集団で帰るのですが、低学年で子供に鍵を持たせるご家庭は本当に少ないです。
(不安しか無いですよね・・・。)
そうなると、お迎えになりますよね。
ただ、学童のお迎えって一番遅くても18時30分頃までです。
大体が18時までにはお迎えに来られます。
ちなみに、子供の学童では18時に迎えに行くと、残り3人くらいしか子供が残っていませんでした。。。
これは地域差がありますので、事前に要確認ですね。
一番遅い18時30分のお迎えだとしても、フルタイムだとよほど会社の近くに住んでいないと厳しいものがあります。
・・・そこで時短勤務が必要になる訳です。
これが保育園の時だと、もっと遅くまで預かってもらえました。
ところが、小学校になるといきなり「壁」が現れるので、小1の壁と言います。
事前に会社の就業規則を確認しておこう
私は人事部ですので面接官もするのですが、「何か質問はありますか?」と最後に尋ねると、育児休業制度や時短制度について聞いてこられることがあります。
将来的に育児休業を考えている方は、事前に確認をして制度が整っている会社を選んでおられるのでしょうね。
長年勤めている会社で育休を予定している方は、先輩や上司に確認してみましょう。
時代の流れもあり、時短がいつまで使えるかは今後変わっていく可能性もあります。
社員からの声があれば、会社も動いてくれるかも知れません。
早めのリサーチが大切です。
福利厚生面で手厚い大企業でも、この時短勤務に限定して言えば割とシビアです。
最近になってやっと「小学校6年生」まで認められたという企業もあり、特段進んでいるということはありません。
・・・ましてや、中小企業になるとより「時短勤務」への理解が少なく、時短での働き方を良く思わない上司もいたりして、肩身の狭い思いをされた方もおられると思います。
育休取得率の高い会社は、そのまま時短勤務へとつながりますので、時短勤務の経験者の先輩も沢山おられるはずです。
そういった会社であれば制度に乗っかり、周りを気にすることなく子育てと仕事の両立がし易くなりますね。
時短勤務はいつまで使えるの?
ここで、統計資料を見てみることにします。
雇用均等基本調査の結果です。
直近の令和3年度の調査結果を見てみると、小学校入学までが22%、小学校3年生までが8%、小学校卒業までが6%、小学校卒業後も利用可能が19.5%ですので、小学校以上をOKとしている企業は55.5%となっています。
・・・約半数ですね。
反して、3歳未満としている企業も38.1%ありますので、法律を満たしていないことになります。
統計資料を見ると、小学校入学までとしている企業が一定数あるものの、実態として小1の壁をクリアできないので、小学校入学後もOKとしている企業も多いことが分かります。
時短勤務ってどれくらい早く帰れるの?
法律で時短勤務の基本は、6時間です。
正確に言うと、5時間45分~6時間になります。
法的には6時間ですが、会社によって、複数の短時間勤務の選択肢があるところも多いのではないでしょうか。
例)定時 9:00~18:00
✿朝1時間夕方1時間短くして、10:00~17:00の勤務(休憩1時間)。
✿朝は通常通りで夕方を2時間短くして、9:00~16:00の勤務(休憩1時間)。
6時間が基本ですが、6時間を選択肢の中に含めておけば、それ以外の時短時間があっても問題ありません。
例えば、5時間・7時間勤務の時短です。
ただ、短縮した時間分のお給料は無給となりますので、生活との兼ね合いで決めないといけませんよね。
例えば、多少生活が厳しくても子供との時間を優先したいのであれば、短めの時短勤務を選択するのも良いでしょうし、可能な限り仕事に専念したいのであれば、長めの時短勤務を選択するのが良いでしょうし、子育て・自身のキャリアパス・生活の3点から検討されると良いと思います。
とはいえ、これは自由に選択できる訳ではなく、あくまでも自社の就業規則によります。
就業規則で6時間の短時間勤務しか定めていなければ、6時間しか選択はできません。
小さい会社などでは、会社の規程がそうであっても臨機応変に対応してもらえるところもありますので、一度人事部や経営者に要確認ですね。
お給料や社会保険はどうなるの?
お給料は、所定労働時間8時間の会社で6時間の時短を取るのであれば、固定給を6/8=で計算するのが一般的です。
例えば、(基本給+住宅手当+家族手当)×6時間÷8時間といった感じです。
固定給が20万円でしたら15万円、25万円でしたら18万7500円になります。
・・・結構少なくなりますよね。
賞与は会社の取り決めによりますが、同じような算出で減額される可能性が高いです。
社会保険料については、通常はフルタイムの3/4以上の勤務時間がないと加入出来ないので、例えば8時間の会社で6時間だと問題ありませんが、6時間未満だと3/4を達成できないことになります。
ただ、一時的に時短勤務を利用し時短が終了すればまた元の時間に戻る場合は、加入したままでOKという取り扱いをする年金事務所が多いですので、年金事務所に確認してみましょう。
社保から抜けて旦那さんの扶養に入れる状態であれば良いでしょうが、年収が130万円を超えてしまうと扶養にも入れず、結局国保加入になり高い保険料を払うことになったということにもなりかねませんので、注意が必要です。