シングルマザーでも、パートやアルバイト、そして派遣社員であれば企業の面接(面談)もそれほど大変ではないと思います。
ただ、正社員になると、面接も大そうなものになり、「シングルマザーで合格できるのだろうか?」と不安になりますよね。
私自身がこれまで人事担当者として面接官をしてきた中で、シングルマザーでも合格できるポイントをお伝えしたいと思います。
面接ではどのような質問をされるのか
面接の経験がある方はご存知だと思いますが、面接官が色々質問してきますよね。
✿一般的な質問・・・長所や短所、得意な分野など
✿個別質問・・・具体的な能力(技術力)やその他気がかりなこと
面接の流れとして、最初はどこも一般的に一通り自己紹介をさせられると思います。
「名前、学歴、職務経歴、長所・短所」などです。
転職をしている方は、職務経歴の説明だけでも長くなると思います。
一通り聞いた面接官がその後質問してくるのは、面接官が気になったポイントです。
例えば、「人事という職種で採用したい」とします。
その場合、
✿給与計算はどのソフト(システム)を使用していたのか?
✿給与計算や社会保険の手続きだけでなく、就業規則の改定や人事制度の企画・立案の経験があるのか?
✿何人規模の処理をこなしてきたのか。
✿マネジメントの経験はあるのか。
・・・などです。
具体的に、即戦力としてどこまでの能力があるかを判断します。
面接官から突っ込みが入るポイント
能力的にOKだと判断した場合、次の質問はその人のキャラクターです。
例えば、最初に長所と短所を述べたとします。
その中で、面接官が引っかかる(気になる)ポイントがあったりすると、突っ込んでくると思います。
・・・なぜ突っ込んでくるのでしょうか?
それは、採用したいと思っているからです。
採用したいけれども、引っ掛かるポイントがあるのでその不安を面接官は打ち消したいのです。
しつこく何度も同じような質問をしてくる場合は、そのポイントさえ突破できれば採用したい場合です。
ですので、面接官が安心できるような回答をすると、合格に近づくのです。
応募者の方はこれを勘違いされていて、面接官が不安になるような回答をついつい口にしてしまっています。
例えば、短所を聞かれて、はっきりと自分の短所を答えてしまう方がおられます。
そうすると、目の前の面接官は、当然ながら不安に思います。
「当社でやっていけるだろうか?」
そして、次々と同じ様な質問をされることになります。
ですので、例えば長所と短所を聞かれた場合は、
「長所は、責任感が強いところです。そして短所は、長所とつながるのですが、責任感が強ぎるため、頼まれた仕事は多少忙しくても引き受けてしまい、引き受けたからにはやり遂げなければと思いますので、結果的に自身の負担を大きくしてしまう所です。」
・・・といったように、長所と短所をからめてしまうと、短所が目立ちません。
上記の回答例で言うと、会社としては頼まれた仕事をやってもらえればOKな訳ですから、短所で自分の負担が大きくなってしまったと言われても何とも思いません。
仕事をしてくれる人だという印象しか残らないのです。
物は言い様です。
面接官がどう言えば納得できるのか、安心できるのか、面接官の立場に立って「どういう回答が欲しいのか」を考えて発言する必要があります。
シングルマザーは落ちやすい?
最初から「ひとり親」に対して偏見を持っている面接官もいると思います。
その場合、何かしら嫌味のような威圧的な面接をされる可能性があります。
でも、気にすることはありません。
大切なことは、堂々としていることです。
ひとり親という立場に対して不安に思っていると、面接官に見透かされてしまいます。
ですので、子供の話になった場合は、
「子供を一人で育てていますが、実家が近いですので仕事には影響がありません。」
「ひとり親ですが、子供はもう小学生ですので大丈夫です。」
「母子家庭ですが、子供は健康ですので、ご迷惑をお掛けすることは少ないと思います。」
・・・何でも良いです。
面接官を安心させる言葉を言いましょう。
実際の所、採用されてから子供が病気になり休むことがあっても構わないのです。
それは母子家庭に限った話ではありません。
子供がいる母親を採用する以上、会社としては想定内でないといけないのです。
ですので、堂々と「大丈夫です!」と言ってしまって下さい(笑
後から文句を言われたら、文句を言う方が悪いです。
マイナスポイントを強みに変える
以前、シングルマザーの方を面接したことがあります。
とても堂々とした方で、子供の為に必死に働いておられ、トラックの運転手までされて子供を一人で育てておられました。
ただ、一貫したスキルがあり、能力が高かったこともあり堂々とされていました。
この人になら仕事を任せられる!そういう強さを感じました。
この方ならどの企業でも欲しがるだろうという様な魅力がありましたね~。
当然「採用」したかったのですが、逆に断られてしまいました(笑
正社員採用を断るなんて、かっこいいですよね。
・・・それだけ「仕事を選べる」ということです。
面接では、面接官が一方的に面接をする訳ではなく、応募者の方も企業を面接すれば良いと思います。
そして、「余裕を見せる」ことは自分の価値を上げるためにも大切です。
良く、「何でもやります!」と言って、職種をコロコロ変える方がおられます。
でも、一番評価が高いのは「一貫したスキル・目標がある方」です。
威圧的な面接でも動じないことが大切
悲しいですが、威圧的な面接をする面接官がいますよね。
・・・私の上司もそのタイプです。
以前、あまりにも不愉快に思った応募者の方が、後日クレームを言う為に会社を訪れたことがあり、私が謝罪の対応をしました。
本当にダメですよね。
採用するにしても不採用にしても、お互い気持ちよく面接をすることが大切で、面接官は「会社の顔」ですので、応募者の方を不快にしてはいけないのです。
ただ、やはり現場では守られておらず、個人的な事情を突っ込み、余計な質問をする面接官が存在するのも事実です。
応募者の反応を見る為に、わざと行っている場合もあります。
そんな時、動じない事が大切です。
しっかりと面接官の目を見つめ、質問されたことに堂々と答えましょう。
できないことをできるという必要はありません。それを言ってしまうと後から自分が困ります。
うろたえたり、態度に出したり、イラっとして顔に出したりすると、面接官の思うツボですので、絶対に止めましょう。
腹が立ったら、そんな会社は後から断ってやれば良いのです。
採用の連絡が来てから、断れば良いのです。気持ちがスーッとしますよ(笑
まとめ
会社が求めるスキルがあると強いですが、そうでない場合も「やる気を見せる」「面接官を安心させる」「人柄の良さで勝負する」ことで、採用につながる可能性があります。
間違っても、「母子家庭ですが、大丈夫でしょうか?」というような消極的な態度で挑まない方が良いと思います。
採用になってから、子供のために多少会社を休むことになっても、その分普段頑張っていれば良いのです。
休んだ分は自分で何とかするくらいの気持ちで、普段から会社に貢献することが大切だと思います。
頑張っている人なら、周りがいくらでもカバーしてくれるようになります。
普段から、適当な仕事の仕方をしないことが大切です。