結婚した夫が「アスペルガー」だと分かった時、あなたならどうするでしょう?
良く言われるのが、「結婚する前に分からなかったの?」というセリフですが、答えはYESでもありNOでもあると思います。
アスペルガーは発達障害ですが、言い方を少し変えると「強い個性」。もっと言うと「強すぎる個性」といったところでしょうか。
生まれつきなのですから、確かに個性とも言えますよね。
後から思えば・・・、「確かにアスペルガーかも!」という行動や発言は沢山ありましたが、主に気付くのは結婚してから(お互いの距離がより近くなってから)だと思います。
つまり「同居」です。
だから、結婚するまで気付かないのは、ある意味仕方が無いことなんですよね。
子供がいなければ色々な決断をすぐに出来るでしょうが、問題になるのが子供がいる場合です。
悩んで悩んで・・・、ボロボロになりながら「決断」を下せず今に至る方、決断を下したものの何か他に方法は無かったのかと考えておられる方も多いのではないでしょうか。
私もその一人でした。
アスペルガーの夫と会話が無くなる理由
例えば、私が調理中に指を切ったとします。
皆さんなら指を切ってしまった相手に対し、何と声をかけるでしょうか?
「大丈夫?」
・・・ですよね。
私は、これ以外の言葉は無いと思っているのですが、夫が私に言った言葉は次のようなものでした。
「指を切るくらいならご飯なんて作るな!」(なぜか怒っている)
言われた瞬間、私は意味が分かりませんでした。
最近思うのは、もしかすると心配したのかも知れない。心配したけれども、言葉を間違えたのかも知れない、と分析しています(笑
そして、またある日、LINEではなくメールを使い続けている夫に言いました。
「LINEにしようよ」
そうしたら、夫は激怒して言いました。
「そんなに俺とメールするのが嫌なのか!!!」
・・・いやいやいやいや。。。。(笑
勝手な思い込みが激しくて、全然違う方向に話が進んでいってしまうんですよね。
こうなると、もはや何も言えなくなります。
アスペルガーの夫が無視をする理由
夫婦なら、結婚生活で喧嘩をしたり、意見が食い違ったりする事もあるでしょう。そんな時は、話し合うか少し一人の時間を作るか・・・、それぞれ仲直りの方法があるかと思います。
ですが、夫の場合、それが出来ません。
相手から何かを言われると、責められていると感じ、殻に閉じこもってしまいます。
そして、防衛本能が働くのでしょうね。自分を守るために「相手を無視」します。
この相手というのは、ほぼ「私」です。
社会生活ではそれなりに我慢も出来る様ですが、家に帰ると豹変してしまいます。
それは、社会生活での緊張が解けるのではないかと思います。
強く出れるのが私くらいしかいないのでしょう。
なぜ強く出れるかと言うと、「子供には父親が必要」という武器があるからです。
自分がいなくなると、私が困ることを知っているから強く出れるのです。
↑これは本人がそう言っていました(笑
人間なら、一時的に一人になりたいことも、無視をしたいこともあるでしょう。
ただ、夫の場合、それが永遠に続きます。
1ヵ月経っても2ヵ月経っても無視をし続け、部屋に籠ります。
・・・もはや反抗期の子供です。
こうなると、結婚生活の継続が難しくなります。
個人的には、この「無視」さえなければ、結婚生活は継続できたと思います。
無視から生まれるものは何もありません。
アスペルガーの夫との付き合い方
離婚をしてから、どうやったら関係が保てるのか少しづつ分かってきました。
それは、以下の様なものです。
✿何があっても責めない
✿「父親が必要」という言葉は絶対に言わない
✿好きなようにさせる
✿夫の話を一方的に聞いてあげる
✿無視されたら距離を置く(どうにもならなければ離婚を考える)
✿褒めすぎない
✿約束を守らなくても許す
こうやって書くと、ここまでして結婚生活を継続する必要があるのだろうか?ということに辿り着きますよね。
そして、私の場合はここまでやっても無理でした。
なぜなら、夫が無視をしてくるポイントがずれているからです。
つまり、夫が怒り出すポイントが読めない、ということになりますので、対策が取れないのです。
だから、何を言っても何をやっても、もっと言うと何もやらなくても最終的には夫からの「無視」という洗礼を受けることになりました。
今思うと、アスペルガーの夫は、自分の気持ちを口に出して説明する、ということが出来ません。だからこそ、部屋に閉じこもり自分の世界に浸ることで、気持ちを落ち着かせていたのでしょう。
それをすることで、家庭が崩壊するなどとは思ってもいないと思います。
そして、子供にも悪影響を与えるということも思っていなかったと思います。
ただただ、私を困らせることで優越感に浸っていたのだろうと思います。
なぜなら、私が彼に別居したいと伝えた時、夫はこう言いました。
「父親は必要じゃないのか!?」
「父親が必要」・・・良く私が言っていた言葉です。
この言葉を武器にして強く出ていたのでしょうね。
父親なら子供を最優先にするはず、と思っていたら間違いで、アスペルガーの夫が優先しているのは自分自身でした。
敵認定をされたら、一旦引く。
アスペルガーの夫が味方の内は良いのですが、何かの拍子に「敵認定」されることがあります。この敵認定、ほぼ「妻」です。元妻も同様ですね。
一番敵対視される関係なのでしょう。
私は離婚後に敵認定された期間もあり、その間は全く連絡が取れなくなります。
正直子供の事が無ければ一生敵認定しておいて欲しいくらいなのですが、子供に父親が必要な期間は我慢するしかありません。
敵認定が外れるまでこちらからは連絡はしません。
連絡をしてしまうと逆効果になりますので、注意が必要です。
物事を決める中心は、全てアスペルガーの夫になります。敵認定を外すかどうかも、連絡を取り合うかどうかも決めるのは彼です。
子供に父親が必要ではなくなる時まで、我慢し続けるしかありません。
・・・腹が立ちますよね。悲しくなりますよね。
人を無視してはいけない。そんな基本的なことすらできず、自由に振舞うのですから、腹が立つのは当たり前です。
でも、最近思うんです。
アスペルガーは発達障害です。敵認定された妻や家族はそれはもう苦しい日々を過ごします。
未来が見えない。希望が持てない。悲しみしかない様な日々が続きますよね。
「なぜ、そうなの???」と叫びたくなるような毎日。
ただ・・・、アスペルガー本人も苦しいんだと思うんですよ。
社会に出て気を付けているつもりでも、空気を読まない行動をしていることも多々あるはずです。
・・・周りからは色々言われる。もしくは何も言われなくなる。
イライラすることも、多いはずです。
そんな日々を過ごしているのも事実です。
アスペルガーとの付き合いで辛くなった時、一番の解決法はアスペルガーを理解することなのではないかと思ってきました。
分かち合うことは難しくても、少しでも発達障害の物の考え方を理解することで、楽になることもあります。
例えば、
「あの時あんなことを言わなければ良かった。」
「もう少し別の行動を取れば良かった。」
・・・そうやって後悔することはないでしょうか?
そうしたら、もっと上手くやれたんじゃないかと。違う結末が待っていたんじゃないかと。
でもね。きっと同じなんです。
やり直しても、きっと同じ結果になるんです。
アスペルガーの夫は変わらない。変われない。
・・・だから、今までの行動も発言も何も間違ってないんだと思えるようになりました。
アスペルガーの夫との未来
私自身は離れて良かったと思いますし、一緒に未来を歩んでいくことは何度やり直したとしても無理だと思います。
ですが、離れていても、子育ては一緒にできます。
・・・正確に言うと、夫の気が向いた時だけ育児に参加させるということでもいいんじゃないかと思っています。
いいというよりは、それしか方法が無いのです。
私が彼を必要な訳ではなく、子供が必要としている期間だけは我慢をする。
でも、何も優しさが無い訳ではなく、変わっているだけでアスペルガーの夫にも優しいところがあり、優しさを感じられることもあります。
少なくとも、敵認定されていない間は・・・。
「向こうが引いている時に、こちらが押さないようにする。」
これは鉄則だと思います。