「あそこの子供は母子家庭だから・・・。」
母子家庭、父子家庭、共働き家庭・・・、子供に何かあると必ず言われる〇〇家庭。
でも、本当にそうなのでしょうか?
実際に我が子が小学校に入学し、小学校での先生からのお話やママ友、そして子供からの話によると、とても〇〇家庭でまとめられる話では無いように思います。
〇〇家庭で育った子供の特徴は・・・なんて、簡単には言い表せないと思います。
なぜなら個人差が大きいからです。
同じ状況であっても、個人差によって感じ方が大きく変わります。
母子家庭の子供は愛情不足?
「父親がいないから半分しか愛情が受けられない」という考え方は違うと思います。
愛情というのは、母親からはもちろんですが、祖父母や親戚、そして学校の先生や習い事の先生、近所の人からも受けることができるものです。
確かに、他の子供と比べれば、「父親」という足りないものがあるかも知れません。
でも、それも感じ方は、人ぞれぞれです。
・父親がいないから寂しい
・母親がいないから寂しい
・親が下の兄弟姉妹ばかり可愛がるから寂しい
・母親が遅くまで働いているから寂しい
・自分は親から愛されていない気がするから寂しい
私自身は、両親が揃っている家庭で育ちました。
でも、私の息子のように笑顔で学校生活を送ることはできませんでした。
両親は夫婦仲が悪かった為、母親が子供(私)を早く一人立ちさせようと焦り、1年生から買い物・食事の支度・学校に行く前の掃除など、とても学業に専念できないほどの家事の負担がありました。
宿題さえしていないのに家の掃除を優先させられたり、今思うとめちゃくちゃだったと思います。
抱きしめられるのではなく、毎日叩かれました。
「あれができていない」「これもできていない」
精神状態が不安だった小学校時代を思い出します。
そして、母も不安定だったのだと思います。
「片親でもいいから、どちらかから愛情が欲しかったな。」と思います。
息子の友達で、「俺は愛されていない」と常に口にしている子供がいます。
両親は揃っており夫婦仲がとても良いご家庭です。
私はそのご両親と仲が良いのですが、一生懸命子育てをしておられます。
それでも、保育園時代から荒れていて、問題が多く、先生の手には負えない子供でした。
私が保育園に息子を迎えに行くと、毎日息子を押しのけてそのお友達が一番に私の所に走ってきました。とても嬉しそうな顔をして。
何かしら寂しさがあったのでしょう。
小学校に入っても常にそんな感じで、クラスの中では浮いています。
子供が何に対して寂しさや不満を持つかは、個人差が大きいと思います。
母子家庭の子供は学力が低い?
これは、母子家庭の貧困から出ている説だと思われますが、貧困は母子家庭に限った話ではありませんし、大学の無償化が始まった今、貧困だから学力が低いというのは成り立たなくなっていると思います。
私の周りのシングルマザーは、やはり圧倒的に府営や市営団地に住んでいる人が多いです。
そして家賃が少し浮いた分を子供の習い事の費用にまわしていますね。
やりくりが上手だと思います。
我が家はUR賃貸ですので家賃は決して安くはありません。
ただ、更新料がありませんので、その分は子供の為の費用にまわすことができます。
母子家庭の子供は離婚しやすい?
貧困の連鎖と同様に、離婚の連鎖も良く言われる話ですよね。
実際に親が離婚をしていると子供も離婚し易いというのは一理あるかも知れません。
ただ、周りを見ると、仲の良い家庭の子供も普通に離婚をしています。
逆に母子家庭で育った子供が幸せな家庭を築いている光景も目にします。
ある1点だけを見つめると集中しているように見えますが、視野を広げると意外と偏りがないことに気付きます。
「〇〇家庭は〇〇しやすい」と安易に決めつけるのは、ただの偏見なのではないかと思っています。
育て方のポイント
一番悩んだり寂しくなるのは保育園時代かも知れません。
保育園のお迎えにお父さんが来られているところもありますし、運動会でも親子競技でお父さんが活躍している姿を目にします。
これが小学校に入ると、親の出番はぐっと減りますので、お友達の親と会う機会自体が少なくなります。
(参観日などはありますが、誰が誰の親なのか分かりません。)
離婚をしても父親に定期的に会えるのかそうでないのかによっても違ってきますし、父親の嫌な部分を沢山見て離婚に至ったケースと父親の記憶が残らない時期に離婚に至ったケースでは、子供の父親への憧れ度も変わってくるのではないかと思います。
ただ一つ言えることは、今現状でできることをしてあげれば良いということだと思います。
母子家庭に限らず、どの家庭でも、できることには限界があります。
子供には、今の状況で頑張って生きていってもらうしかないですよね。
冒頭でも書きましたが、感じ方にはそれぞれ個人差がありますので、子供の幸せを追求しすぎない方が良いと思います。
「できることはできる」「できないことはできない」
そう割り切って、子育てをしていけば良いと思うんです。
育った環境に不満を持ち育つ子供もいれば、親を反面教師にしながら強く育っていく子供もいます。
私自身も、「産まなければ良かった」と言われ続けて育ちましたが、自己肯定感は強いですし、生まれてきて良かったと思っています(笑
そもそも、自己肯定感がないと人事部という仕事は務まらないと思っています。
子供が「寂しい」と思う気持ちは決して否定してはいけないものですが、そこにばかり囚われると本質を見失う気がします。
もしも子供に、「もっと違う家庭で育ちたかった」と言われたとしても、
「でも、お母さんはあなたと出会えて幸せだったわ。」
「ごめんね、お母さん一人幸せで。」
くらいの返答を返せるような余裕のある母親になりたいと思っています。